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監視、ログ、デバッグ
- 1: Initコンテナのデバッグ
- 2: PodとReplicationControllerのデバッグ
- 3: Pod障害の原因を特定する
- 4: Serviceのデバッグ
- 5: StatefulSetのデバッグ
- 6: 実行中のコンテナへのシェルを取得する
1 - Initコンテナのデバッグ
このページでは、Initコンテナの実行に関連する問題を調査する方法を説明します。以下のコマンドラインの例では、Podを<pod-name>
、Initコンテナを<init-container-1>
および<init-container-2>
として参照しています。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
- Initコンテナの基本を理解しておきましょう。
- Initコンテナを設定しておきましょう。
Initコンテナのステータスを確認する
Podのステータスを表示します:
kubectl get pod <pod-name>
たとえば、Init:1/2
というステータスは、2つのInitコンテナのうちの1つが正常に完了したことを示します。
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
<pod-name> 0/1 Init:1/2 0 7s
ステータス値とその意味の例については、Podのステータスを理解するを参照してください。
Initコンテナの詳細を取得する
Initコンテナの実行に関する詳細情報を表示します:
kubectl describe pod <pod-name>
たとえば、2つのInitコンテナを持つPodでは、次のように表示されます:
Init Containers:
<init-container-1>:
Container ID: ...
...
State: Terminated
Reason: Completed
Exit Code: 0
Started: ...
Finished: ...
Ready: True
Restart Count: 0
...
<init-container-2>:
Container ID: ...
...
State: Waiting
Reason: CrashLoopBackOff
Last State: Terminated
Reason: Error
Exit Code: 1
Started: ...
Finished: ...
Ready: False
Restart Count: 3
...
また、Pod Specのstatus.initContainerStatuses
フィールドを読むことでプログラムでInitコンテナのステータスにアクセスすることもできます。:
kubectl get pod nginx --template '{{.status.initContainerStatuses}}'
このコマンドは生のJSONで上記と同じ情報を返します。
Initコンテナのログにアクセスする
ログにアクセスするには、Initコンテナ名とPod名を渡します。
kubectl logs <pod-name> -c <init-container-2>
シェルスクリプトを実行するInitコンテナは、実行時にコマンドを出力します。たとえば、スクリプトの始めにset -x
を実行することでBashで同じことができます。
Podのステータスを理解する
Init:
で始まるPodステータスはInitコンテナの実行ステータスを要約します。以下の表は、Initコンテナのデバッグ中に表示される可能性のあるステータス値の例をいくつか示しています。
ステータス | 意味 |
---|---|
Init:N/M |
PodはM 個のInitコンテナを持ち、これまでにN 個完了しました。 |
Init:Error |
Initコンテナが実行に失敗しました。 |
Init:CrashLoopBackOff |
Initコンテナが繰り返し失敗しました。 |
Pending |
PodはまだInitコンテナの実行を開始していません。 |
PodInitializing or Running |
PodはすでにInitコンテナの実行を終了しています。 |
2 - PodとReplicationControllerのデバッグ
このページでは、PodとReplicationControllerをデバッグする方法を説明します。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
- PodとPodのライフサイクルの基本を理解している必要があります。
Podのデバッグ
Podのデバッグの最初のステップは、Podを調べることです。 次のコマンドで、Podの現在の状態と最近のイベントを確認して下さい。
kubectl describe pods ${POD_NAME}
Pod内のコンテナの状態を確認します。
コンテナはすべてRunning
状態ですか?最近再起動はしましたか?
Podの状態に応じてデバッグを続けます。
PodがPending状態にとどまっている
PodがPending
状態でスタックしている場合、ノードにスケジュールできていないことを意味します。
一般的に、これは、何らかのタイプのリソースが不足しており、それによってスケジューリングを妨げられているためです。
上述のkubectl describe...
コマンドの出力を確認してください。
Podをスケジュールできない理由に関するスケジューラーからのメッセージがあるはずです。
理由としては以下のようなものがあります。
リソースが不十分
クラスター内のCPUまたはメモリーの供給を使い果たした可能性があります。 この場合、いくつかのことを試すことができます。
-
クラスターにノードを追加します。
-
不要なPodを終了して、
Pending
状態のPodのための空きリソースを作ります。 -
Podがノードよりも大きくないことを確認します。 例えば、すべてのノードのキャパシティーが
cpu: 1
の場合、cpu: 1.1
を要求するPodは決してスケジュールされません。kubectl get nodes -o <format>
コマンドでノードのキャパシティーを確認できます。 必要な情報を抽出するコマンドラインの例を以下に示します。kubectl get nodes -o yaml | egrep '\sname:|cpu:|memory:' kubectl get nodes -o json | jq '.items[] | {name: .metadata.name, cap: .status.capacity}'
リソースクォータ機能では、 消費できるリソースの合計量を制限するように構成できます。 Namespaceと組み合わせて使用すると、1つのチームがすべてのリソースを占有することを防ぐことができます。
hostPortの使用
PodをhostPort
にバインドすると、Podをスケジュールできる場所の数が制限されます。
ほとんどの場合、hostPort
は不要です。Serviceオブジェクトを使用してPodを公開してください。
どうしてもhostPort
が必要な場合は、コンテナクラスター内のノードと同じ数のPodのみをスケジュールできます。
PodがWaiting状態にとどまっている
PodがWaiting
状態でスタックしている場合、Podはワーカーノードにスケジュールされていますが、そのマシンでは実行できない状態です。
この場合も、kubectl describe ...
の情報が参考になるはずです。
PodがWaiting
状態となる最も一般的な原因は、イメージをプルできないことです。
確認すべき事項が3つあります。
- イメージの名前が正しいことを確認して下さい。
- イメージはリポジトリーにプッシュしましたか?
- マシンで手動で
docker pull <image>
を実行し、イメージをプルできるかどうかを確認して下さい。
Podがクラッシュする、あるいはUnhealthy状態
Podがスケジュールされると、動作中のPodをデバッグするに説明されている方法がデバッグに使用可能です。
ReplicationControllerのデバッグ
ReplicationControllerはかなり明快です。Podを作成できるか、できないかのどちらかです。 Podを作成できない場合は、上述の手順を参照してPodをデバッグしてください。
kubectl describe rc ${CONTROLLER_NAME}
を使用して、レプリケーションコントローラーに関連するイベントを調べることもできます。
3 - Pod障害の原因を特定する
このページでは、コンテナ終了メッセージの読み書き方法を説明します。
終了メッセージは、致命的なイベントに関する情報を、ダッシュボードや監視ソフトウェアなどのツールで簡単に取得して表示できる場所にコンテナが書き込むための手段を提供します。 ほとんどの場合、終了メッセージに入力した情報も一般的なKubernetesログに書き込まれるはずです。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
終了メッセージの書き込みと読み取り
この課題では、1つのコンテナを実行するPodを作成します。 設定ファイルには、コンテナの開始時に実行されるコマンドを指定します。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: termination-demo
spec:
containers:
- name: termination-demo-container
image: debian
command: ["/bin/sh"]
args: ["-c", "sleep 10 && echo Sleep expired > /dev/termination-log"]
-
YAML設定ファイルに基づいてPodを作成します:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/debug/termination.yaml
YAMLファイルの
command
フィールドとargs
フィールドで、コンテナが10秒間スリープしてから/dev/termination-log
ファイルに「Sleep expired」と書いているのがわかります。コンテナが「Sleep expired」メッセージを書き込んだ後、コンテナは終了します。 -
Podに関する情報を表示します:
kubectl get pod termination-demo
Podが実行されなくなるまで、上記のコマンドを繰り返します。
-
Podに関する詳細情報を表示します:
kubectl get pod termination-demo --output=yaml
出力には「Sleep expired」メッセージが含まれています:
apiVersion: v1 kind: Pod ... lastState: terminated: containerID: ... exitCode: 0 finishedAt: ... message: | Sleep expired ...
-
Goテンプレートを使用して、終了メッセージのみが含まれるように出力をフィルタリングします:
kubectl get pod termination-demo -o go-template="{{range .status.containerStatuses}}{{.lastState.terminated.message}}{{end}}"
終了メッセージのカスタマイズ
Kubernetesは、コンテナのterminationMessagePath
フィールドで指定されている終了メッセージファイルから終了メッセージを取得します。デフォルト値は/dev/termination-log
です。このフィールドをカスタマイズすることで、Kubernetesに別のファイルを使うように指示できます。Kubernetesは指定されたファイルの内容を使用して、成功と失敗の両方についてコンテナのステータスメッセージを入力します。
終了メッセージはアサーションエラーメッセージのように、最終状態を簡潔に示します。kubeletは4096バイトより長いメッセージは切り詰めます。全コンテナの合計メッセージの長さの上限は12キビバイトです。デフォルトの終了メッセージのパスは/dev/termination-log
です。Pod起動後に終了メッセージのパスを設定することはできません。
次の例では、コンテナはKubernetesが取得するために終了メッセージを/tmp/my-log
に書き込みます:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: msg-path-demo
spec:
containers:
- name: msg-path-demo-container
image: debian
terminationMessagePath: "/tmp/my-log"
さらに、ユーザーは追加のカスタマイズをするためにContainerのterminationMessagePolicy
フィールドを設定できます。このフィールドのデフォルト値はFile
です。これは、終了メッセージが終了メッセージファイルからのみ取得されることを意味します。terminationMessagePolicy
をFallbackToLogsOnError
に設定することで、終了メッセージファイルが空でコンテナがエラーで終了した場合に、コンテナログ出力の最後のチャンクを使用するようにKubernetesに指示できます。ログ出力は、2048バイトまたは80行のどちらか小さい方に制限されています。
次の項目
4 - Serviceのデバッグ
新規にKubernetesをインストールした環境でかなり頻繁に発生する問題は、Serviceが適切に機能しないというものです。Deployment(または他のワークロードコントローラー)を通じてPodを実行し、サービスを作成したにもかかわらず、アクセスしようとしても応答がありません。何が問題になっているのかを理解するのに、このドキュメントがきっと役立つでしょう。
Pod内でコマンドを実行する
ここでの多くのステップでは、クラスターで実行されているPodが見ているものを確認する必要があります。これを行う最も簡単な方法は、インタラクティブなalpineのPodを実行することです。
kubectl run -it --rm --restart=Never alpine --image=alpine sh
使用したい実行中のPodがすでにある場合は、以下のようにしてそのPod内でコマンドを実行できます。
kubectl exec <POD-NAME> -c <CONTAINER-NAME> -- <COMMAND>
セットアップ
このドキュメントのウォークスルーのために、いくつかのPodを実行しましょう。おそらくあなた自身のServiceをデバッグしているため、あなた自身の詳細に置き換えることもできますし、これに沿って2番目のデータポイントを取得することもできます。
kubectl create deployment hostnames --image=k8s.gcr.io/serve_hostname
deployment.apps/hostnames created
kubectl
コマンドは作成、変更されたリソースのタイプと名前を出力するため、この後のコマンドで使用することもできます。
Deploymentを3つのレプリカにスケールさせてみましょう。
kubectl scale deployment hostnames --replicas=3
deployment.apps/hostnames scaled
これは、次のYAMLでDeploymentを開始した場合と同じです。
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
name: hostnames
labels:
app: hostnames
spec:
selector:
matchLabels:
app: hostnames
replicas: 3
template:
metadata:
labels:
app: hostnames
spec:
containers:
- name: hostnames
image: k8s.gcr.io/serve_hostname
"app"ラベルはkubectl create deployment
によって、Deploymentの名前に自動的にセットされます。
Podが実行されていることを確認できます。
kubectl get pods -l app=hostnames
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
hostnames-632524106-bbpiw 1/1 Running 0 2m
hostnames-632524106-ly40y 1/1 Running 0 2m
hostnames-632524106-tlaok 1/1 Running 0 2m
Podが機能していることも確認できます。Pod IP アドレスリストを取得し、直接テストできます。
kubectl get pods -l app=hostnames \
-o go-template='{{range .items}}{{.status.podIP}}{{"\n"}}{{end}}'
10.244.0.5
10.244.0.6
10.244.0.7
このウォークスルーに使用されるサンプルコンテナは、ポート9376でHTTPを介して独自のホスト名を提供するだけですが、独自のアプリをデバッグする場合は、Podがリッスンしているポート番号を使用する必要があります。
Pod内から実行します。
for ep in 10.244.0.5:9376 10.244.0.6:9376 10.244.0.7:9376; do
wget -qO- $ep
done
次のように表示されます。
hostnames-632524106-bbpiw
hostnames-632524106-ly40y
hostnames-632524106-tlaok
この時点で期待通りの応答が得られない場合、Podが正常でないか、想定しているポートでリッスンしていない可能性があります。なにが起きているかを確認するためにkubectl logs
が役立ちます。Podに直接に入りデバッグする場合はkubectl exec
が必要になります。
これまでにすべての計画が完了していると想定すると、Serviceが機能しない理由を調査することができます。
Serviceは存在するか?
賢明な読者は、Serviceをまだ実際に作成していないことにお気付きかと思いますが、これは意図的です。これは時々忘れられるステップであり、最初に確認すべきことです。
存在しないServiceにアクセスしようとするとどうなるでしょうか?このServiceを名前で利用する別のPodがあると仮定すると、次のような結果が得られます。
wget -O- hostnames
Resolving hostnames (hostnames)... failed: Name or service not known.
wget: unable to resolve host address 'hostnames'
最初に確認するのは、そのServiceが実際に存在するかどうかです。
kubectl get svc hostnames
No resources found.
Error from server (NotFound): services "hostnames" not found
Serviceを作成しましょう。前と同様に、これはウォークスルー用です。ご自身のServiceの詳細を使用することもできます。
kubectl expose deployment hostnames --port=80 --target-port=9376
service/hostnames exposed
そして、念のため内容を確認します。
kubectl get svc hostnames
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE
hostnames ClusterIP 10.0.1.175 <none> 80/TCP 5s
これで、Serviceが存在することがわかりました。
前と同様に、これは次のようなYAMLでServiceを開始した場合と同じです。
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: hostnames
spec:
selector:
app: hostnames
ports:
- name: default
protocol: TCP
port: 80
targetPort: 9376
構成の全範囲をハイライトするため、ここで作成したServiceはPodとは異なるポート番号を使用します。多くの実際のServiceでは、これらのポートは同じになる場合があります。
サービスはDNS名によって機能しているか?
クライアントがサービスを使用する最も一般的な方法の1つは、DNS名を使用することです。同じNamespaceのPodから次のコマンドを実行してください。
nslookup hostnames
Address 1: 10.0.0.10 kube-dns.kube-system.svc.cluster.local
Name: hostnames
Address 1: 10.0.1.175 hostnames.default.svc.cluster.local
これが失敗した場合、おそらくPodとServiceが異なるNamespaceにあるため、ネームスペースで修飾された名前を試してください。(Podの中からもう一度)
nslookup hostnames.default
Address 1: 10.0.0.10 kube-dns.kube-system.svc.cluster.local
Name: hostnames.default
Address 1: 10.0.1.175 hostnames.default.svc.cluster.local
これが機能する場合、クロスネームスペース名を使用するようにアプリケーションを調整するか、同じNamespaceでアプリとServiceを実行する必要があります。これでも失敗する場合は、完全修飾名を試してください。
nslookup hostnames.default.svc.cluster.local
Address 1: 10.0.0.10 kube-dns.kube-system.svc.cluster.local
Name: hostnames.default.svc.cluster.local
Address 1: 10.0.1.175 hostnames.default.svc.cluster.local
ここでのサフィックス"default.svc.cluster.local"に注意してください。"default"は、操作しているNamespaceです。"svc"は、これがServiceであることを示します。"cluster.local"はクラスタードメインであり、あなたのクラスターでは異なる場合があります。
クラスター内のノードからも試すこともできます。
nslookup hostnames.default.svc.cluster.local 10.0.0.10
Server: 10.0.0.10
Address: 10.0.0.10#53
Name: hostnames.default.svc.cluster.local
Address: 10.0.1.175
完全修飾名では検索できるのに、相対名ではできない場合、Podの/etc/resolv.conf
ファイルが正しいことを確認する必要があります。Pod内から実行します。
cat /etc/resolv.conf
次のように表示されます。
nameserver 10.0.0.10
search default.svc.cluster.local svc.cluster.local cluster.local example.com
options ndots:5
nameserver行はクラスターのDNS Serviceを示さなければなりません。これは、--cluster-dns
フラグでkubelet
に渡されます。
search
行には、Service
名を見つけるための適切なサフィックスを含める必要があります。この場合、ローカルのNamespace
でService
を見つけるためのサフィックス(default.svc.cluster.local
)、すべてのNamespaces
でService
を見つけるためのサフィックス(svc.cluster.local
)、およびクラスターのサフィックス(cluster.local
)です。インストール方法によっては、その後に追加のレコードがある場合があります(合計6つまで)。クラスターのサフィックスは、--cluster-domain
フラグを使用してkubelet
に渡されます。このドキュメントではそれが"cluster.local"であると仮定していますが、あなたのクラスターでは異なる場合があります。その場合は、上記のすべてのコマンドでクラスターのサフィックスを変更する必要があります。
options
行では、DNSクライアントライブラリーが検索パスをまったく考慮しないようにndots
を十分に高く設定する必要があります。Kubernetesはデフォルトでこれを5に設定します。これは、生成されるすべてのDNS名をカバーするのに十分な大きさです。
DNS名で機能するServiceはあるか?
上記がまだ失敗する場合、DNSルックアップがServiceに対して機能していません。一歩離れて、他の何が機能していないかを確認しましょう。KubernetesマスターのServiceは常に機能するはずです。Pod内から実行します。
nslookup kubernetes.default
Server: 10.0.0.10
Address 1: 10.0.0.10 kube-dns.kube-system.svc.cluster.local
Name: kubernetes.default
Address 1: 10.0.0.1 kubernetes.default.svc.cluster.local
これが失敗する場合は、このドキュメントのkube-proxyセクションを参照するか、このドキュメントの先頭に戻って最初からやり直してください。ただし、あなた自身のServiceをデバッグするのではなく、DNSサービスをデバッグします。
ServiceはIPでは機能するか?
DNSサービスが正しく動作できると仮定すると、次にテストするのはIPによってServiceが動作しているかどうかです。上述のkubectl get
で確認できるIPに、クラスター内のPodからアクセスします。
for i in $(seq 1 3); do
wget -qO- 10.0.1.175:80
done
次のように表示されます。
hostnames-0uton
hostnames-bvc05
hostnames-yp2kp
Serviceが機能している場合は、正しい応答が得られるはずです。そうでない場合、おかしい可能性のあるものがいくつかあるため、続けましょう。
Serviceは正しく定義されているか?
馬鹿げているように聞こえるかもしれませんが、Serviceが正しく定義されPodのポートとマッチすることを二度、三度と確認すべきです。Serviceを読み返して確認しましょう。
kubectl get service hostnames -o json
{
"kind": "Service",
"apiVersion": "v1",
"metadata": {
"name": "hostnames",
"namespace": "default",
"uid": "428c8b6c-24bc-11e5-936d-42010af0a9bc",
"resourceVersion": "347189",
"creationTimestamp": "2015-07-07T15:24:29Z",
"labels": {
"app": "hostnames"
}
},
"spec": {
"ports": [
{
"name": "default",
"protocol": "TCP",
"port": 80,
"targetPort": 9376,
"nodePort": 0
}
],
"selector": {
"app": "hostnames"
},
"clusterIP": "10.0.1.175",
"type": "ClusterIP",
"sessionAffinity": "None"
},
"status": {
"loadBalancer": {}
}
}
- アクセスしようとしているServiceポートは
spec.ports[]
のリストのなかに定義されていますか? targetPort
はPodに対して適切ですか(いくつかのPodはServiceとは異なるポートを使用します)?targetPort
を数値で定義しようとしている場合、それは数値(9376)、文字列"9376"のどちらですか?targetPort
を名前で定義しようとしている場合、Podは同じ名前でポートを公開していますか?- ポートの
protocol
はPodに適切ですか?
ServiceにEndpointsがあるか?
ここまで来たということは、Serviceは正しく定義され、DNSによって名前解決できることが確認できているでしょう。ここでは、実行したPodがServiceによって実際に選択されていることを確認しましょう。
以前に、Podが実行されていることを確認しました。再確認しましょう。
kubectl get pods -l app=hostnames
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
hostnames-632524106-bbpiw 1/1 Running 0 1h
hostnames-632524106-ly40y 1/1 Running 0 1h
hostnames-632524106-tlaok 1/1 Running 0 1h
-l app=hostnames
引数はラベルセレクターで、ちょうど私たちのService
に定義されているものと同じです。
"AGE"列は、これらのPodが約1時間前のものであることを示しており、それらが正常に実行され、クラッシュしていないことを意味します。
"RESTARTS"列は、これらのポッドが頻繁にクラッシュしたり、再起動されていないことを示しています。頻繁に再起動すると、断続的な接続性の問題が発生する可能性があります。再起動回数が多い場合は、ポッドをデバッグするを参照してください。
Kubernetesシステム内には、すべてのServiceのセレクターを評価し、結果をEndpointsオブジェクトに保存するコントロールループがあります。
kubectl get endpoints hostnames
NAME ENDPOINTS
hostnames 10.244.0.5:9376,10.244.0.6:9376,10.244.0.7:9376
これにより、EndpointsコントローラーがServiceの正しいPodを見つけていることを確認できます。ENDPOINTS
列が<none>
の場合、Serviceのspec.selector
フィールドが実際にPodのmetadata.labels
値を選択していることを確認する必要があります。よくある間違いは、タイプミスやその他のエラー、たとえばDeployment作成にもkubectl run
が使われた1.18以前のバージョンのように、Serviceがapp=hostnames
を選択しているのにDeploymentがrun=hostnames
を指定していることです。
Podは機能しているか?
この時点で、Serviceが存在し、Podを選択していることがわかります。このウォークスルーの最初に、Pod自体を確認しました。Podが実際に機能していることを確認しましょう。Serviceメカニズムをバイパスして、上記EndpointsにリストされているPodに直接アクセスすることができます。
Pod内から実行します。
for ep in 10.244.0.5:9376 10.244.0.6:9376 10.244.0.7:9376; do
wget -qO- $ep
done
次のように表示されます。
hostnames-632524106-bbpiw
hostnames-632524106-ly40y
hostnames-632524106-tlaok
Endpointsリスト内の各Podは、それぞれの自身のホスト名を返すはずです。そうならない(または、あなた自身のPodの正しい振る舞いにならない)場合は、そこで何が起こっているのかを調査する必要があります。
kube-proxyは機能しているか?
ここに到達したのなら、Serviceは実行され、Endpointsがあり、Podが実際にサービスを提供しています。この時点で、Serviceのプロキシーメカニズム全体が疑わしいです。ひとつひとつ確認しましょう。
Serviceのデフォルト実装、およびほとんどのクラスターで使用されるものは、kube-proxyです。kube-proxyはそれぞれのノードで実行され、Serviceの抽象化を提供するための小さなメカニズムセットの1つを構成するプログラムです。クラスターがkube-proxyを使用しない場合、以下のセクションは適用されず、使用しているServiceの実装を調査する必要があります。
kube-proxyは実行されているか?
kube-proxy
がノード上で実行されていることを確認しましょう。ノードで実行されていれば、以下のような結果が得られるはずです。
ps auxw | grep kube-proxy
root 4194 0.4 0.1 101864 17696 ? Sl Jul04 25:43 /usr/local/bin/kube-proxy --master=https://kubernetes-master --kubeconfig=/var/lib/kube-proxy/kubeconfig --v=2
次に、マスターとの接続など、明らかな失敗をしていないことを確認します。これを行うには、ログを確認する必要があります。ログへのアクセス方法は、ノードのOSに依存します。一部のOSでは/var/log/kube-proxy.logのようなファイルですが、他のOSではjournalctl
を使用してログにアクセスします。次のように表示されます。
I1027 22:14:53.995134 5063 server.go:200] Running in resource-only container "/kube-proxy"
I1027 22:14:53.998163 5063 server.go:247] Using iptables Proxier.
I1027 22:14:53.999055 5063 server.go:255] Tearing down userspace rules. Errors here are acceptable.
I1027 22:14:54.038140 5063 proxier.go:352] Setting endpoints for "kube-system/kube-dns:dns-tcp" to [10.244.1.3:53]
I1027 22:14:54.038164 5063 proxier.go:352] Setting endpoints for "kube-system/kube-dns:dns" to [10.244.1.3:53]
I1027 22:14:54.038209 5063 proxier.go:352] Setting endpoints for "default/kubernetes:https" to [10.240.0.2:443]
I1027 22:14:54.038238 5063 proxier.go:429] Not syncing iptables until Services and Endpoints have been received from master
I1027 22:14:54.040048 5063 proxier.go:294] Adding new service "default/kubernetes:https" at 10.0.0.1:443/TCP
I1027 22:14:54.040154 5063 proxier.go:294] Adding new service "kube-system/kube-dns:dns" at 10.0.0.10:53/UDP
I1027 22:14:54.040223 5063 proxier.go:294] Adding new service "kube-system/kube-dns:dns-tcp" at 10.0.0.10:53/TCP
マスターに接続できないことに関するエラーメッセージが表示された場合、ノードの設定とインストール手順をダブルチェックする必要があります。
kube-proxy
が正しく実行できない理由の可能性の1つは、必須のconntrack
バイナリが見つからないことです。これは、例えばKubernetesをスクラッチからインストールするなど、クラスターのインストール方法に依存して、一部のLinuxシステムで発生する場合があります。これが該当する場合は、conntrack
パッケージを手動でインストール(例: Ubuntuではsudo apt install conntrack
)する必要があり、その後に再試行する必要があります。
kube-proxyは、いくつかのモードのいずれかで実行できます。上記のログのUsing iptables Proxier
という行は、kube-proxyが「iptables」モードで実行されていることを示しています。最も一般的な他のモードは「ipvs」です。古い「ユーザースペース」モードは、主にこれらに置き換えられました。
Iptables mode
「iptables」モードでは、ノードに次のようなものが表示されます。
iptables-save | grep hostnames
-A KUBE-SEP-57KPRZ3JQVENLNBR -s 10.244.3.6/32 -m comment --comment "default/hostnames:" -j MARK --set-xmark 0x00004000/0x00004000
-A KUBE-SEP-57KPRZ3JQVENLNBR -p tcp -m comment --comment "default/hostnames:" -m tcp -j DNAT --to-destination 10.244.3.6:9376
-A KUBE-SEP-WNBA2IHDGP2BOBGZ -s 10.244.1.7/32 -m comment --comment "default/hostnames:" -j MARK --set-xmark 0x00004000/0x00004000
-A KUBE-SEP-WNBA2IHDGP2BOBGZ -p tcp -m comment --comment "default/hostnames:" -m tcp -j DNAT --to-destination 10.244.1.7:9376
-A KUBE-SEP-X3P2623AGDH6CDF3 -s 10.244.2.3/32 -m comment --comment "default/hostnames:" -j MARK --set-xmark 0x00004000/0x00004000
-A KUBE-SEP-X3P2623AGDH6CDF3 -p tcp -m comment --comment "default/hostnames:" -m tcp -j DNAT --to-destination 10.244.2.3:9376
-A KUBE-SERVICES -d 10.0.1.175/32 -p tcp -m comment --comment "default/hostnames: cluster IP" -m tcp --dport 80 -j KUBE-SVC-NWV5X2332I4OT4T3
-A KUBE-SVC-NWV5X2332I4OT4T3 -m comment --comment "default/hostnames:" -m statistic --mode random --probability 0.33332999982 -j KUBE-SEP-WNBA2IHDGP2BOBGZ
-A KUBE-SVC-NWV5X2332I4OT4T3 -m comment --comment "default/hostnames:" -m statistic --mode random --probability 0.50000000000 -j KUBE-SEP-X3P2623AGDH6CDF3
-A KUBE-SVC-NWV5X2332I4OT4T3 -m comment --comment "default/hostnames:" -j KUBE-SEP-57KPRZ3JQVENLNBR
各サービスのポートごとに、KUBE-SERVICES
に1つのルールと1つのKUBE-SVC- <hash>
チェーンが必要です。Podエンドポイントごとに、そのKUBE-SVC- <hash>
に少数のルールがあり、少数のルールが含まれる1つのKUBE-SEP- <hash>
チェーンがあるはずです。正確なルールは、正確な構成(NodePortとLoadBalancerを含む)に基づいて異なります。
IPVS mode
「ipvs」モードでは、ノードに次のようなものが表示されます。
ipvsadm -ln
Prot LocalAddress:Port Scheduler Flags
-> RemoteAddress:Port Forward Weight ActiveConn InActConn
...
TCP 10.0.1.175:80 rr
-> 10.244.0.5:9376 Masq 1 0 0
-> 10.244.0.6:9376 Masq 1 0 0
-> 10.244.0.7:9376 Masq 1 0 0
...
各Serviceの各ポートに加えて、NodePort、External IP、およびLoad Balancer IPに対して、kube-proxyは仮想サーバーを作成します。Pod endpointごとに、対応する実サーバーが作成されます。この例では、サービスhostnames(10.0.1.175:80
)は3つのendpoints(10.244.0.5:9376
、10.244.0.6:9376
、10.244.0.7:9376
)を持っています。
IPVSプロキシーは、各Serviceアドレス(Cluster IP、External IP、NodePort IP、Load Balancer IPなど)毎の仮想サーバーと、Serviceのエンドポイントが存在する場合に対応する実サーバーを作成します。この例では、hostnames Service(10.0.1.175:80
)は3つのエンドポイント(10.244.0.5:9376
、10.244.0.6:9376
、10.244.0.7:9376
)を持ち、上と似た結果が得られるはずです。
Userspace mode
まれに、「userspace」モードを使用している場合があります。
ノードから実行します。
iptables-save | grep hostnames
-A KUBE-PORTALS-CONTAINER -d 10.0.1.175/32 -p tcp -m comment --comment "default/hostnames:default" -m tcp --dport 80 -j REDIRECT --to-ports 48577
-A KUBE-PORTALS-HOST -d 10.0.1.175/32 -p tcp -m comment --comment "default/hostnames:default" -m tcp --dport 80 -j DNAT --to-destination 10.240.115.247:48577
サービスの各ポートには2つのルールが必要です(この例では1つだけ)-「KUBE-PORTALS-CONTAINER」と「KUBE-PORTALS-HOST」です。
「userspace」モードを使用する必要はほとんどないので、ここでこれ以上時間を費やすことはありません。
kube-proxyはプロキシしているか?
上記のいずれかが発生したと想定して、いずれかのノードからIPでサービスにアクセスをしています。
curl 10.0.1.175:80
hostnames-632524106-bbpiw
もしこれが失敗し、あなたがuserspaceプロキシーを使用している場合、プロキシーへの直接アクセスを試してみてください。もしiptablesプロキシーを使用している場合、このセクションはスキップしてください。
上記のiptables-save
の出力を振り返り、kube-proxy
がServiceに使用しているポート番号を抽出します。上記の例では"48577"です。このポートに接続してください。
curl localhost:48577
hostnames-632524106-tlaok
もしまだ失敗する場合は、kube-proxy
ログで次のような特定の行を探してください。
Setting endpoints for default/hostnames:default to [10.244.0.5:9376 10.244.0.6:9376 10.244.0.7:9376]
これらが表示されない場合は、-v
フラグを4に設定してkube-proxy
を再起動してから、再度ログを確認してください。
エッジケース: PodがService IP経由で自身に到達できない
これはありそうに聞こえないかもしれませんが、実際には起こり、動作するはずです。これはネットワークが"hairpin"トラフィック用に適切に設定されていない場合、通常はkube-proxy
がiptables
モードで実行され、Podがブリッジネットワークに接続されている場合に発生します。Kubelet
はhairpin-mode
フラグを公開します。これにより、Serviceのエンドポイントが自身のServiceのVIPにアクセスしようとした場合に、自身への負荷分散を可能にします。hairpin-mode
フラグはhairpin-veth
またはpromiscuous-bridge
に設定する必要があります。
この問題をトラブルシューティングする一般的な手順は次のとおりです。
hairpin-mode
がhairpin-veth
またはpromiscuous-bridge
に設定されていることを確認します。次のような表示がされるはずです。この例では、hairpin-mode
はpromiscuous-bridge
に設定されています。
ps auxw | grep kubelet
root 3392 1.1 0.8 186804 65208 ? Sl 00:51 11:11 /usr/local/bin/kubelet --enable-debugging-handlers=true --config=/etc/kubernetes/manifests --allow-privileged=True --v=4 --cluster-dns=10.0.0.10 --cluster-domain=cluster.local --configure-cbr0=true --cgroup-root=/ --system-cgroups=/system --hairpin-mode=promiscuous-bridge --runtime-cgroups=/docker-daemon --kubelet-cgroups=/kubelet --babysit-daemons=true --max-pods=110 --serialize-image-pulls=false --outofdisk-transition-frequency=0
- 実際に使われている
hairpin-mode
を確認します。これを行うには、kubeletログを確認する必要があります。ログへのアクセス方法は、ノードのOSによって異なります。一部のOSでは/var/log/kubelet.logなどのファイルですが、他のOSではjournalctl
を使用してログにアクセスします。互換性のために、実際に使われているhairpin-mode
が--hairpin-mode
フラグと一致しない場合があることに注意してください。kubelet.logにキーワードhairpin
を含むログ行があるかどうかを確認してください。実際に使われているhairpin-mode
を示す以下のようなログ行があるはずです。
I0629 00:51:43.648698 3252 kubelet.go:380] Hairpin mode set to "promiscuous-bridge"
- 実際に使われている
hairpin-mode
がhairpin-veth
の場合、Kubelet
にノードの/sys
で操作する権限があることを確認します。すべてが正常に機能している場合、次のようなものが表示されます。
for intf in /sys/devices/virtual/net/cbr0/brif/*; do cat $intf/hairpin_mode; done
1
1
1
1
実際に使われているhairpin-mode
がpromiscuous-bridge
の場合、Kubelet
にノード上のLinuxブリッジを操作する権限があることを確認してください。cbr0
ブリッジが使用され適切に構成されている場合、以下が表示されます。
ifconfig cbr0 |grep PROMISC
UP BROADCAST RUNNING PROMISC MULTICAST MTU:1460 Metric:1
- 上記のいずれも解決しない場合、助けを求めてください。
助けを求める
ここまでたどり着いたということは、とてもおかしなことが起こっています。Serviceは実行中で、Endpointsがあり、Podは実際にサービスを提供しています。DNSは動作していて、kube-proxy
も誤動作していないようです。それでも、あなたのServiceは機能していません。おそらく私たちにお知らせ頂いた方がよいでしょう。調査をお手伝いします!
Slack、ForumまたはGitHubでお問い合わせください。
次の項目
詳細については、トラブルシューティングドキュメントをご覧ください。
5 - StatefulSetのデバッグ
このタスクでは、StatefulSetをデバッグする方法を説明します。
始める前に
- Kubernetesクラスターが必要です。また、kubectlコマンドラインツールがクラスターと通信するように設定されている必要があります。
- 調べたいStatefulSetを実行しておきましょう。
StatefulSetのデバッグ
StatefulSetに属し、ラベルapp=myapp
が設定されているすべてのPodを一覧表示するには、以下のコマンドを利用できます。
kubectl get pods -l app=myapp
Podが長期間Unknown
またはTerminating
の状態になっていることがわかった場合は、それらを処理する方法についてStatefulSetの削除タスクを参照してください。
Podのデバッグガイドを使用して、StatefulSet内の個々のPodをデバッグできます。
次の項目
6 - 実行中のコンテナへのシェルを取得する
このページはkubectl exec
を使用して実行中のコンテナへのシェルを取得する方法を説明します。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
コンテナへのシェルの取得
このエクササイズでは、1つのコンテナを持つPodを作成します。 コンテナはnginxのイメージを実行します。以下がそのPodの設定ファイルです:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: shell-demo
spec:
volumes:
- name: shared-data
emptyDir: {}
containers:
- name: nginx
image: nginx
volumeMounts:
- name: shared-data
mountPath: /usr/share/nginx/html
Podを作成します:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/application/shell-demo.yaml
コンテナが実行中であることを確認します:
kubectl get pod shell-demo
実行中のコンテナへのシェルを取得します:
kubectl exec --stdin --tty shell-demo -- /bin/bash
--
はコマンドに渡す引数とkubectlの引数を分離します。
シェル内で、ルートディレクトリーのファイル一覧を表示します:
# このコマンドをコンテナ内で実行します
ls /
シェル内で、他のコマンドを試しましょう。以下がいくつかの例です:
# これらのサンプルコマンドをコンテナ内で実行することができます
ls /
cat /proc/mounts
cat /proc/1/maps
apt-get update
apt-get install -y tcpdump
tcpdump
apt-get install -y lsof
lsof
apt-get install -y procps
ps aux
ps aux | grep nginx
nginxのルートページへの書き込み
Podの設定ファイルを再度確認します。PodはemptyDir
ボリュームを持ち、
コンテナは/usr/share/nginx/html
ボリュームをマウントします。
シェル内で、/usr/share/nginx/html
ディレクトリにindex.html
を作成します。
# このコマンドをコンテナ内で実行します
echo 'Hello shell demo' > /usr/share/nginx/html/index.html
シェル内で、nginxサーバーにGETリクエストを送信します:
# これらのコマンドをコンテナ内のシェルで実行します
apt-get update
apt-get install curl
curl http://localhost/
出力にindex.html
ファイルに書き込んだ文字列が表示されます:
Hello shell demo
シェルを終了する場合、exit
を入力します。
exit # コンテナ内のシェルを終了する
コンテナ内での各コマンドの実行
シェルではない通常のコマンドウインドウ内で、実行中のコンテナの環境変数の一覧を表示します:
kubectl exec shell-demo env
他のコマンドを試します。以下がいくつかの例です:
kubectl exec shell-demo -- ps aux
kubectl exec shell-demo -- ls /
kubectl exec shell-demo -- cat /proc/1/mounts
Podが1つ以上のコンテナを持つ場合にシェルを開く
Podが1つ以上のコンテナを持つ場合、--container
か-c
を使用して、kubectl exec
コマンド内でコンテナを指定します。
例えば、my-podという名前のPodがあり、そのPodが main-app と helper-app という2つのコンテナを持つとします。
以下のコマンドは main-app のコンテナへのシェルを開きます。
kubectl exec -i -t my-pod --container main-app -- /bin/bash
-i
と-t
は、ロングオプションの--stdin
と--tty
と同様です。
次の項目
- kubectl execについて読む